〒034-0003
青森県十和田市元町東2丁目2-25
TEL 0176-23-9126
FAX 0176-23-9167
お問い合わせはこちら
当サイトの価格表示は
すべて税込みです



お問い合わせ
南八甲田山の旧県道 №6
2007年07月29日
ここ一週間、毎日の暑さと忙しさでヒーヒー言っている。
とうとう、学生バイトが軽い怪我をしてしまった。
血を始めて見たようで、ブルブルと。
「唾付けたら治るよ」と、言っても、今の現代っ子は・・・。
ま、私も反省~してます。

さて、10数年前の話し。
私が住んでいる街の地元有力者の主催で水産高校卒業の同窓会が行われた。
ま、その地元有力者も水産高校の大OBで、いつもお世話になっている方。
いつも十数人が集まり良き水産高校時代の生活話しに花を咲かせていた。
メンバーは70歳を超える超OBや、水産試験場の所長、教育長、学校教頭、社長、部長などの肩書きが多い人ばかりで、私はその下っぱ。 
その、和やかな会話の中で突然、空気が乱れシーン、となった・・・・。
そして、「横浜!、お前はどう思う!」と、聞かれた。
間に挟まれた、私は・・・・・・・・。

空気が乱れた原因は、小、中学校の校舎敷地内の周りにある木の伐採についてだった。

その場にいた郡内でも一番大きい中学校の教頭先生であった方が「学校敷地内にある針葉樹を伐採しなければならない」という。
それを聞いた○○村の教育長であった方が「せっかく大きくなった木をなぜ切らなければならないのか」と聞く。
中学校の周辺住民から「秋になると学校の周りに生えている針葉樹の葉が住宅の屋根が落ち、屋根が錆びるという苦情が多い」とのこと。
それを、聞いた教育長が、猛反発。
お互い、酒で赤みを帯びた顔がさらに赤くなった。
(面を面にした)
実は、この方も郡内で一番大きい学校の校長先生であった方。

教育長は、「もう少し、説得できないものか。そもそも、この学校の周りに植えている木は何のためにあるかというと・・・・・・。」
周りにいる私達に説明し始めた。
「たぶんほとんどの方は知らないであろうが、戦後の日本が貧困で学校教育にかけるお金が無かった。
そのため、学校の敷地内に木を植え、植えた木が大きくなったら伐採し売り、その売ったお金で教育に使おうということだった。
それまで、大きくなれ、大きくなれとみんなが待ち望んでいた。
これが、今も学校の周りにある木々なんですよ。」と。
「植えた当時は、学校周辺には田んぼや畑が多く家が無かった。
時代とともに周辺の田畑に家が建ち、住宅街となっていったし、今は裕福になり教育にもお金が回るようになって来た。
木を伐採しなくてもよかろう。」と。
そう説明をする教育長の若いころは、自然を愛し、そこに生息する動植物の研究に励む熱心な先生でもあった。
「もう少し、説得できないものか」と。
「いや、でも・・・。」と教頭。
教頭いわく、「時代の流れで、そうはさせてくれないでしょう。」と。
「また、その木を切り学校の教材に使いたい、残った木は売り教育費に当て、切った場所に広葉樹を植えたい。」とのこと。
教育長は「それは、違うだろう」と。
「なぜ、住民と生徒達に、今ある木のことを説明しないのか。なぜ、木について教育しないのか。それを教育として使わず切ってしまっていいものなのか!しかも、広葉樹を植える?!そんな、バカな話しがどこにあるか。」と。
・・・・・・。
木を「切る」「切るな」で騒動になった。

そして、「横浜!、お前はどう思う!」と、聞かれた。
「私としては、ん・・ん・・・。」と、困った~と。
地元有力者も街が掲げている「太陽と緑の街」を推進している立場から、「伐採」となれば・・・・。
そこも、突っ込まれた。
みんな、腕を組んで考えさせられてしまった。
結局、答えは出なかった。
最後に教育長は「人は都合が良過ぎる!、もう少し考えよ!」と言って席を立ち、その場を後にした。

それから、一年後のある日、用事があってその教頭先生がいる学校に行った。
一年前の木の話しをすると、伐採した木を見せてくれた。
まっすぐな廊下を歩き、使われていない教室に案内された。
その教室の一角に、薄く縦てに割られた木が横たわっていた。
「これを技術家庭科に使ったり、本棚とかに使ったり、残りは売ったり」と説明してくれた。
が、その教頭先生はその後すぐ校長先生となって他校へ転勤していった。

このことがあってか、南八甲田山の旧県道の無断伐採の記事が出ると、学校にある木を「切る」「切るな」伐採騒動を思い出す。
し、教室の一角にあった木々はどうなったんだろうか?とも思う。
しかも、「横浜!、お前はどう思う!」と聞かれた答えは、今も出ない。

それから10年後の今日も仕事で郡内の小・中学校を回っている。
そこにいる先生達は学校に立っている木々のことを知っているのかなぁ~?と。
知っていたとしたら、それをうまく教材として学校の歴史や伝統、文化として取り入れ教えているのかなぁ~?と、思いながらせっせと汗を流している。
今日、店番に頼んでいるご隠居たちが「青い森ツリーイング」というロープを使った木登りを通じ、木と親しんでいる。
ツリーイング体験会で参加する多くは、木々に囲まれた学校で生活している子供達である。

私も知らなかった、学校の周りにある木。
風除けと思ったが、実は目的があったんだなぁ~、と。
でも、時代の流れとともに背景が変わり裕福になった現在。
「迷惑をかけるから切る」「苦情がくるから切る」「切った木は売ってお金に」「切った場所に広葉樹を植える」
残るのは、なんなんだろうか?。
そう思うと、なんか悲しいなぁ~と。

左の写真は、学校の周りに植えてある落葉松。
秋になれば紅く染まった松の葉が、車の上や家の屋根に落ち、へばり付く。
落ち葉について住民に聞くと「切ってもらえれば、ありがいのだが」と言う、ここは50年前、民家が無かった場所。

これを読んだ、「みなさんはどう思いますか?」
木を切っちゃいますか!?

最後に、「人は都合が良過ぎる!、もう少し考えよ!」と言い切った水産高校卒の大OBでもある教育長は、今は○○所村の村長さんである。
たまに、外出先でバッタリ出会い、目と目が合うと、「ニコッ」と微笑んでくれる。
「学校の木を切るな!」と、自然に対する気持ちを真剣に言い切った本人が村のトップにいるから「、ま、村は安全だろう」と。
また、この問題を投げかけた御二人には感謝しています。
と、日記には書いておこう。



戻る
Copyright(c)2005 ALPHA TRADING. All Rights Reserved.
このホームページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。