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南八甲田山の旧県道 №7 (長文)
2007年08月11日
ここ3週間くそ忙しい。毎日、郡内の小中学校に出掛けて仕事をしている。
夏休みの学校は、補講やプール、部活に励む子供達がいる。
ある小学校に行った時である。
2人の高学年の生徒が先生に事情徴収され叱られていた。
チョッと、仕事のふりをして耳をたて内容を聞いていた。
なんか、この2人の生徒とある生徒とが喧嘩をしたようだ。
彼らから事情を聞くが、相手の生徒との話しが食い違っているようだ。
ま、そんなもんだろうと。
でも、先生の叱り方が普通ではない。
何でだろう?と、さらに耳を立てた。
ようするに、この2人は喧嘩相手に物を投げ、ぶつけたらしい。
ま、先生が怒るのも無理も無い、と。
先生は「投げた物が目に当たり、失明したらどうするんだ!」と。さらに「親がわざわざ仕事休んで、相手に頭下げてあやまらなければならなんいだ。親が責任取るんだぞ!」と。
「お前達は!責任取れないだろう!」と、言った瞬間・・・・。
1人の生徒が「責任、取れます!」と、言ってしまった・・・・・。
「おっ!やべ~・・」と、思った瞬間・・・。
先生の顔が赤くなり、細かった目が大きく広がって「お前ら!!!責任ってもんはな・・○×△÷□*▽?+・・・・!!!!」と、チョッと自分もそこに居づらくなって離れた・・・。
そういえば、誰かも同じことこと言って俺に力いっぱい叩かれたやつがいたなぁ~と。
誰とは言わないが・・・。

責任・・・・・。
辞書には、人や団体が、なすべき務めとして、みずから引き受けなければならないもの。
「それは彼の―だ」「―を取る」「―を果たす」とある。
学生バイトに小学校での出来事を話したら笑い始めたので「責任ってなんだ?」と聞いてみた。
そうすると「責任とは、その人が負わなければいけない義務です。」と答えた。
「おぉっ!」と、立派な答えを出してくれたので、「義務とは?」と聞くと、首をひねった。
義務ではないような気がする・・・・・。

23年前の若きころ、海洋石油掘削船(海底油田を掘る特殊船、乗組員120名)のエンジンや各機器のチーフ・エンジニアとして仕事していた時代があった。
その船で、掘削深度2300mの深さまで到達したとき、ささいな航海士のミスで冷却用海水のメインパイプ(直径60cm)が破裂し船内が海水で浸水し危うく沈みそうになった時があった。
しかも、この石油掘削船は国家プロジェクトの試験掘削の作業中だった。
船の稼動経費は1日1億円。
作業を止めるとなれば1億円以上の損害を蒙る。
しかも、あるかもしれない石油の層に掘削パイプを突き刺したまま沈ませるわけにはいかない。
船長と掘削監督いわく「120名の命と会社の損益にかかわる問題だ!なんとかしてくれ!横浜~!」だった。
入社したばかりの部下の体はブルブルと震え、自分もはっきり言って逃げ出したかったし、泣きたかった。
しかし、これを食い止めなければ120人の命と国家プロジェクトを請け負った会社がヤバイと。
浸水した船底に油まみれになりながら、何度も潜りメインパイプに入った3m以上の亀裂と格闘しながらなんとかく止めたときがあった。
精神的、肉体的にもボロボロになり疲れきった若き時代があった。

13年前の3月。
東京から掘削会社時代の友人達が八甲田にスキーを滑りに来ることになった。
八戸に住んでいる同じ会社でもある休暇中の先輩を「一緒に滑ろう」と誘った。
この日、八甲田山は雨で、東京から来た友人達は三内丸山遺跡の見学に行きたいと言った。
先輩は「八甲田にスキーに来たのだから俺独りでも滑る」と言ってスキー場に残り、ガス交じりの雨の中を独りで滑り始めた。
「分かった」ということで15時に迎えに来ることにした。
三内丸山遺跡を見て終わり、15時過ぎに迎えに行ったが、彼の姿は見えなかった。
スキー場内を探したら、昼近く救急車で病院に運ばれたことが分かった。
すぐ病院に連絡とったら「今日が峠です。ご家族に連絡し、すぐ来るように」と言われた。
彼は、スピードの出し過ぎでスキー場のフェンスを越え、6m下の駐車場に頭から滑落したという・・・・。
ドクターいわく脳が腫れあがり、止まらないと言われた。
その夜、家族と一緒に病院に泊り、「スキーに誘わなければよかった」と後悔をした。
次の日、峠は越えたが半年間意識不明の重体が続いた。
半年後、意識は戻ったが、骨盤と足の骨の付け根部分が骨折していることが判明。
この部分の骨折は接着しないと言われた。
それでも何とか骨の代替を入れ、3年後にやっと退院した。
その間、見舞いに毎週通い、元気付けた。
3年半ぶりに仕事に復帰したときは荷が降りたと感じた。
が、たまに頭の後遺症が出るときがある・・・・。
そのとき自分の心の中は・・・・・・・。

8年前この次期。
私にとって一生悔いが残るできごとが、起こった・・・・。
それは、雇った学生アルバイトを死亡させてしまったことだ。
忙しさのあまり学生アルバイトを沢山雇い入れたのがそもそも間違いであった。
この年は7月下旬と8月上旬は天気が悪く、肌寒い日が続いた。が、お盆が終わるころ天気が良くなり暑くなった。
毎日、始業時間前に念入りなミーティングを行い、従業員、アルバイトに注意事項を話した。
この日も作業現場が十和田湖周辺のため絶対湖には近寄るなと注意をした。
なぜならば、この年、六ヶ所村と秋田県側の十和田湖湖畔で高校生の水難死亡事故が2件続いて発生していたためである。
このことを3日前からしつこいほど話していた。
が、やはり子供であった。
彼は、話を聞いていたのか、聞いていなかったのか、昼休み時間に暑さのあまり湖に飛び込んでしまった。
とうとう彼は、水面に上がってこなかった。
休憩していた私はすぐ遠く離れた休憩場所から駆けつけ飛び込み、水深4mから彼を引き上げてきた。
救急車が来る20分以上の間、独りでCPRを行ったが、彼は息を吹き返してくれなかった・・・・。
警察、親、学校、親会社、と事故報告をし、心身ともに疲れ果てた。
通夜の晩は、親族、同級生、担任教師から睨まれ、何もしてやれなかった自分の責任は・・・・。
まだ、17歳という若い命だったことを考えると、その場から逃げたかったし、落ち込んだ、どん底まで・・・。
今年で9年目となる。
毎年お盆になると彼の家に行き、仏壇の前で手をあわせる。
母親は「もう、いいですよ」と優しく言ってくれるが、これが一生、自分の務めだと思っている。

責任・・・・。
自分の周りで起きた事故が2度と起らないように文書にしたり回避するようにと頭の中で描き、
従業員や雇ったアルバイトに伝えっていっている。
そんな中、店長のミスで怒ってる私を見て「そんなに怒らなくても」と、私の家族は言う。
しかし、店を預かる店長は会社の顔。
店長のミスは会社のミスでもあり、そのミスの責任は誰がとるのか、ということになる。

登山道・・・・・。
地図に道があれば人が入る。
入って人身事故が起きたら誰が責任をとるのか?。
自己責任・・?
責任とは、「人や団体が、なすべき務めとして、みずから引き受け最善(ベスト)を尽くさなければならないもの。」
では、ないのではなかろうか。
先生に叱られていた2人の小学生が目に焼きついた日だった。
と、日記には書いておこう。

*写真の船に乗っていたころ、よく夢遊病になっていた・・なぁ~。




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