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南八甲田山の旧県道 №13 (時代背景・小作制度)
2007年12月20日
南八甲田山旧県道(御鼻部山⇔猿倉温泉)施工当時の時代背景を調べているうち、いろいろ分かってきたことがある。
その中に、東北の大凶作があったことを、日記にも書いた。
暇を見つけ、当時の新聞を見ると、上北郡内のある村が頻繁に記事に出てくる。
生前、親父がよくその集落を車で通るたびに「ここは、満州からの引揚者が多いところなんだよなぁ~」と、話していた。
「何でだろうと?」と、思っていた・・・。

で、前記にも書いた通り、昭和初期に起こった大凶作により、東北の農民は大打撃を受けたのでようであった。
それに加え農民には「小作人制度」というのがあって、小作人は田畑を借りている地主に法外な「年貢」を取られていた。
「小作人制度」というものはどういうものだったのか。
ある本によれば、「農民が土地所有者である地主から農地を借りて耕作し、農業を営む「制度」のことで、こうした農民を小作農という。」と。
「なるほど・・」と。
情けない話しだが、昭和30年代に生まれた私には、この間まで「小作人」という意味が分からなかった・・・。
さらに、この小作人制度を調べると歴史は古く江戸時代からあったようだ。
では、農地を借りた「借地代」はというと、「小作契約に当たって地主に支払う借地権料の他、毎年「年貢」として、小作料を物納しなければならなかった」とか。
「小作料の利率は通常、全収穫高の50%で、場合によっては60%という高い利率で地主に収めなければならなかった」とか。
小作料は、物納が原則だったようだ。
また、昭和初期に発生した世界大恐慌により米価下落も起こり、地主の収入も影響を受けたようだ。
この影響によって、地主は、「小作料を引き上げることで米価の値下がり分を埋め合わせ、従来どうりの収入を確保しようとし、あくまで取れるものは取ろうとして情け容赦なかった」とか。

「農民の飢餓より」という本には、凶作で米が取れなかった小作人に対し、地主が年貢米を要求する取材記事があった。
青森県旧中里村での取材として、こう書かれていた。
「地主は、農民に年貢米を請求して聞かないといいます。十七俵もとれないのに十九俵の年貢米をよこせと要求する。つまり平年作の年貢米を要求するのです。」と。
また、昭和9年12月24日の東奥日報新聞には、「赤旗押し立て小作米を携へ、青森市を行進。高田、荒川の農民四十餘名が地主を歴訪して小作米減額を交渉」という写真付の見出しがあった。
「結局、地主と4時間に亘る交渉も全部物別れとなった。」と記載されていた。
地主の言い分は、「私は八分作と見ているので、五分作だから負けろと言ったて、これはそう簡単に負けるには行きません。」と書かれている。
これらの文献や当時の新聞を読むかぎり、小作制度により、小作人はだいぶ地主に苦しめられていたんだなぁ~と。
また、凶作期には小作人と地主の争いが耐えなかったようだ。
これを受け、日本政府は満州国に目をむけ、移民省が音頭をとって「満州移民政策」をとった。
満州移民政策とは、「国内における階級宥和的な農業問題処理の矛盾を、外地満州における自作農創出によって部分的にではあれ糊塗しようとした。」とのこと。
移民省の宣伝文句も「一般の農民、とりわけ土地を持たない下層農民や貧農にとって『大地主になれ、帰るときは飛行機で』という文句は魅力的であった。」と記載されている。
凶作と地主に苦しめられた農民は満州に移住し、新しい土地で自作農を営もうと大陸に渡ったようであった。

そう言えば生前、親父が言っていた話しを思い浮かべながら、凶作当時、新聞に出てくる東北一番の大凶作地と紹介されたいた場所とが一致する。
偶然なのか?
太平洋戦争で日本が敗れ、満州から引き上げてこなければならなくなったことを考えれば・・・。
この町の歴史も後で調べてみようと・・・、思い始めてきた。

結局、小作人に残るものはごくわずかで、その中でやりくりして生活費を切り詰めてもなお借金が増えて行ったのであった。
また、土地を手放す農家もあったが、地主の土地を借りて工作している小作農には手放す土地も無い。
それどころか、凶作のため食べる米さえ無くなり、極貧をよぎなくされていたという時代であった。
そこで、仕方なく野山のもので飢えをしのぐとともに、手っ取り早い現金収入の方法を探すことになる。
これが、「娘身売り」の話になっていく・・・。

11月4日に南八甲田山旧県道を縦走してきたときの写真を見ながら物思いに耽ってた。
さっそく、映画「あぁ~、野麦峠」を借りてきて見なければ。
と日記には書いておこう。




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